| 大曲 |
「我々は難関大進学専門塾として、これまで着々と実績を重ねてきました。『難関大に強いハイレヴェルな塾』という評価も多方面から頂くようになりました。そこで今日はふだんの指導を振り返り、我々のめざすものに対して、妥協はないか、甘えがないかを考えてみたいと思います。いつも通りざっくばらんに話をしましょう。まず指導理念の再確認からですが・・・。」 |
| 松島 |
「まず、『本質を鋭く衝く』というのがアヴァンセのモットーですよね。単なる暗記で済ますのではなく、ひとつひとつの事柄を根底にまで立ち戻って理解し、思考力を鍛えて本番に臨む、という。アヴァンセ生の受験する難関大学入試は、まさにそういうやり方でなければ対応できません。」 |
| 大曲 |
「具体的には?」 |
| 松島 |
「はっきり言って、難関大志望者のような学力最上位層の中では、覚えれば済むことで受験生間に差がつくわけはない。そうではなくて、覚えたことをいかに活用するかという『思考力』が決め手なんだということです。そしてそれには根本原理を徹底的にわかってないとダメなんです。覚えるべきことは最低限でいい。しかしその覚えたことの根本的な構造や原理がしっかりわかっていれば、本番ではどういう問題が出されても『思考』して対応できるんです。覚えて吐き出す、というのではダメです。」 |
| 大曲 |
「同感ですね。私のように英語を担当していると、まずは『先生、単語が覚えられません』と来ますね。しかしそれは『単語さえ覚えれば何とかなる』という誤解を誘発しがちなんです。それにハマるともう簡単には抜け出せません。いくら覚えても不安に駆られるしかない。際限がないんですよ、暗記主義には。英語の勉強とは、要は単語を覚えて、文を速く読む練習をすることだと思っている・・・。英語を教える側もほとんどがそういう前提で授業している。」 |
| 松島 |
「それだと、発展性がまるでないんですよね。思考力養成にダイレクトに結びついていかない。」 |
| 大曲 |
「もちろん、なんでもかんでも『覚えちゃダメ』というわけではありません。どうしても暗記しなくてはならない事項もあります。しかし『覚えて勝負する』という場面をいかに少なくするかが大切なんです。特に現役生はそういう方針で勝負をかけなくては、時間の余りある浪人に勝てるわけがありません。アヴァンセ生のように上位高校に合格した生徒は、中学時代までの成績の良さは単なる暗記力の良さでしかなかった可能性がある。だから、そういう人は高校課程さらには難関大入試で求められる『学力』とは、ほんとうの意味での『思考力』なんだということを実感できていない可能性が十分あると思います。」 |
| 松島 |
「アヴァンセに来れば、難関大の入試は覚えているか否か、というところで勝負するんじゃない。頭を働かせているか否かで勝負するんだ、ということが徹底的にわかるでしょうね。」 |
| 松島 |
「ところで、我々は『ハイレヴェル』を標榜していますが、このハイレヴェルってどういうことなんでしょうね。」 |
| 大曲 |
「テキストで東大や京大の入試問題を使ってるからハイレヴェルっていうことではないと思います。例えばアヴァンセのオリジナル・テキストで言うと、高1後半から使用するテキストには、国公立大や上位私大の入試問題もバンバン出ます。ですが、だからアヴァンセがハイレヴェルとはまったく考えていません。」 |
| 松島 |
「大学名だけでハイレヴェルと思われては誤解ですね。」 |
| 大曲 |
「そうです。できもしない問題を生徒に与えておいて、講師がサラサラと解いてみせ、感動させる、というのは実力のない講師の常套手段ですが、それで生徒も講師も満足してるのであれば、受験期に成績の伸びはピタッと止まりますね。保証します。」 |
| 松島 |
「やさしいことをわざわざ難しい言い回しで説明して講師が悦に入る。で、生徒も何か難しいことをやっていてハイレヴェルだと思いこんでる。これもパターンですね。」 |
| 大曲 |
「その程度のトリックでも、現役生は簡単に引っかかってしまうんですよね。ハイレヴェルな授業というのは、難しいことでもやさしく、誰でもわかるように説明する授業のことです。講師の立場からはすごくよくわかるんですが、難しいことを難しく説明するのはすごく楽なんですよね。わかってないのは生徒の責任にしちゃえばいい。『おまえたち努力が足りん』って。(笑)でも、難しいことをやさしく、わかりやすく説明するのは、本当に講師の側に実力がなければダメなんです。途中で必ず破綻しちゃいます。」 |
| 松島 |
「ハイレヴェル授業ってのは『なんだ、そういうことだったのか』『ちゃんと考えれば難しくないんだ』という印象を持ちつつ授業に参加し、しかし結局、難しいことがわかっちゃう授業ね。その結果、本質が見えてくる、という・・・。」 |
| 大曲 |
「そうです。そういう難しいこと、難しい問題というのは、多くの場合、事柄の本質に関わることなんですね。根本原理というかね。そういう根本原理が複雑に絡み合ってるから難しいわけです。それを自在に解きほぐせるのがハイレヴェルな実力、というものなんだと思います。」 |
| 松島 |
「生徒諸君がそういう力をつけられるように授業をするのが必要ですね。シンプルな根本原理をしっかり理解する。試験現場でそれをうまく組み合わせて問題を解くという思考力ですね。」 |
| 大曲 |
「ほかの人が知らないような、マイナーな知識や解法をいくつ知ってるか、覚えているか、ということではないんです。とにかくそういう発想に『逃げ』たら現役生は絶対に難関大合格できません。量で勝負し始めたら浪人生に勝てるわけないし、そもそも際限のない暗記地獄にはまりこんでいってしまう。アヴァンセで勉強を続けてきた人なら、受験直前期には『覚えることほど楽なことはない』と実感していると思います。」 |
| 松島 |
「アヴァンセ生は勉強の力点が並の高校生とは違ってるわけです。だから、アヴァンセのテキストにある難度の高い問題は『こんなに難しい問題、簡単には解けないだろ』という脅しのつもりで載せてるんではない。まったく逆で、『こんなに難しい問題でも、根本原理が徹底されていれば、いともたやすく解けちゃう』ということを説得するために載せてるんです。」 |
| 大曲 |
「松島先生は、高1生にも盛んに東大とか京大の過去問をやらせていますが、それはこけおどしのつもりではなかったんですね。(笑)」 |
| 松島 |
「まったく逆ですよ。(笑)事項の本質がわかっていて、論理的に考えられる人なら、こんなに簡単に解けますよ、っていう意図です。」 |
| 大曲 |
「だからアヴァンセ生は難関大に強いんでしょうね。」 |
| 松島 |
「同感です。理念達成のための具体的な方策・システムも、これまでの受験結果でその有効性が十分に証明されていると考えます。」 |
| 大曲 |
「最後に大学入学後のことも考えておこうと思います。先日、留学を目指して英語の勉強を再び本格的に始めた卒業生がこんなことを報告しに来ました。本質をおさえた勉強をしていれば、大学に入った後でも役に立つ、ということなんですが、大学に入って同じ語学クラスの人を見てると、単に単語と熟語の大量暗記だけで受験を済ませた人は、大学に入ってからまるで伸びない。特に英語とは縁遠い学部学科になると、半年でほとんど忘れてしまう。高1レヴェルぐらいまで英語力が落ちてしまう、と言うんです。ところが、アヴァンセの生徒諸君のように本質を追究して学んでいると、なかなか忘れない。たとえ忘れてしまっても、少しやればすぐに元に戻るということです。英語の『世界』をがっちり作り上げているから、わからなくなっても戻っていく地点があるんですね。本格的に英語の勉強を再開すると、こういうことをすごく痛感する、と言うんですね。」 |
| 松島 |
「単なる暗記と受験技術に終始した人は、頭からそれらが抜けると、またゼロから始めなくてはいけなくなるわけです。こういうことは英語に限らず、どの教科でもいえますね。」 |
| 大曲 |
「まさに発展性がない。暗記と技術だけの受験勉強では、大学に受かればそれで終わり、という頭脳しか作られないんです。」 |
| 松島 |
「せっかく受験勉強したのに、結局、何も身になってないんですね。それでは大学入学後、果たして意義のあることができるのかどうか・・・。」 |
| 大曲 |
「とりあえず難関大学合格は1つの目標ですが、それでthe endではない。むしろ大学入学後にさらに伸びていかなくては大学に行く意味がないと思いますし、そのための受験指導であるべきです。」 |
| 松島 |
「その意味でも、われわれの指導理念と指導方法は充分に根拠のあるものだと思います。」 |
| 大曲 |
「そうですね。」 |
| 松島 |
「これからもがんばりましょう。 |